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管理職の心構え
 
(その6)鳥瞰図を描く

2019.11.16

大きな仕事を始めるときにはすぐに取りかかるのではなく、まず「全体構想」を描かなくてはなりません
私の場合は担当する事業の中期事業計画や大型の設備投資の発案書を策定するといった重要な仕事をするときにいつも心がけていたことがあります。
このような大きなプロジェクトを経営会議などに報告するとき、私はA3サイズの大きな紙を用意します。そして、4つのスペースに区分して、それぞれのスペースに資料1ページ分の情報を書き出すのです。資料の縮小版4ページ分をA3の紙に貼り付けるのです。

例えば、設備投資の発案書ならスペース@に「本投資計画の狙い」「投資効果」、スペースAに「事業の環境認識」「競争他社との比較、当社の強み弱み」、スペースBに「設備投資の概要」、スペースCに「生産・販売計画」といった具合に、4ページ分を一枚の紙に書き出すわけです。
このようにすると、全体で6〜8ページで構成される資料が、A3用紙2枚にすべて入ることになります。こうすることによって、いわば資料の鳥瞰図ができ上がって、実に見晴らしがよく、全体のストーリーがよくわかります。
それぞれのスペースに記述すべき項目やキーワード、あるいは簡潔な文章を書き入れることによって、他の人が読んでも内容がわかるようにしておきます。
それができ上がると、検討チームのメンバー全員とディスカッションをしながら、資料全体の構成を決め、内容をブラッシュアップしていきます。
このようなスケルトンができ上がったら、あとは分担とスケジュール(デッドライン)を決めたらよいだけなので、作業が効率的に進みますし、チーム全体が情報を共有できるというメリットも生まれます。
このような作業をするときに多くのムダが発生する原因は、「最終の姿」を決めずに、「あれもこれも」と場当たり的に資料を作成していってしまうことにあります。その結果、繋いでみたら全体として整合性のない資料になってしまいます。
あるいは、資料が多すぎるということで、せっかく作ったペーパーを削除してしまったりするムダも発生します。
このように仕事を始める前に鳥瞰図を描きしっかりした方向性を決めることが重要です。

しかしながら、そうはいっても、前もってそのようなプランを立てることのできない“難しいテーマ”も存在します。そんなときは、事前に完璧なプランを立てようとするのではなく、とりあえず始めてみるのがいいです。
このようにとりあえず始めてみて、ある程度わかってきたところで全体計画を立てるのです。

また、最初に描いた鳥瞰図が検討していく過程で、事前に考えていたこととは異なることが発生することがあります。
そんなときは、すばやく軌道修正をしなくてはなりません。一度作った計画を不変なものとする必要はありません。
環境や条件は変わるのですから計画は常に修正を重ねることが重要です。

 




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