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管理職の心構え
 
(その20)部下に任せる

2021.11.8

私は会社の仕事はできるだけ効率的に済ませ自分のプライベートな生活を大事にすべきというワークライフバランスの推進者です。
残業をせずに定時に帰った方が体調も良く仕事の生産性も上がるし自分の生活も充実したものになります。
だからといって私は残業が悪だとは思っていません。20代30代のある時期は早く一人前のビジネスマンになるために思い切り仕事に熱中することも大切です。
しかし40代になり管理職になったらしなやかに生きなければなりません。
なるべく仕事は部下に任せ、自分の会社以外の人とつきあい、本を読み、映画を見、自己啓発などして人間としての幅を広げることを勧めます。

仕事を部下に任せるということは相当な努力と工夫がいります。
まずチームとしてどんな仕事を抱えているか、その重要度はどうか、それに応じてどのくらいの精度でいつまでに実行するかなどを明らかにしてやらなくてはなりません。
私は重要な業務の場合、部下が業務を始める前に完成度や納期について一緒に話し合っていました。

経済用語で「パレートの法則」というのがあります。「国家の富の8割は2割の人に帰属する」といった8割2割の理論です。これをもじって私は「仕事のパレートの法則」と言っています。すなわち「その人の抱えている仕事の重要度の高い2割を成せばその人の抱える仕事全体の8割に相当する」というものです。
一般の会社の業務で特別重要な仕事は2割くらいです。あとの8割はそれほど重要な仕事ではなくそうした仕事は拙速を尊びます。
ですからどの業務が重要なのかという識別を部下に指導しなくてはなりません。
そして部下にその仕事の納期を設定する習慣を付けさせます。
いちいちそんな計画を立てるなんて面倒くさいし時間のロスだと思う部下もいます。
しかしこの習慣を繰り返していると、そういった計画を立てるのは意外に慣れて早くなります。
こうすることによってかなり重要な仕事を部下に任せることができるようになります。
また仕事がスタートしたあと、部下がある程度業務が進んだところで報告させる習慣をつけさせることも大事です。
すべてでき上がったところで報告を受けたとき自分が思ってもいなかったことになっている可能性があります。終わってから気が付くのでは遅いのです。
必ず中間で報告させ、軌道修正の機会を持つことで無駄な作業をさせないことです。




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