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管理職の心構え
 
(その2)計画を立てる

2019.5.12

私は戦略的計画立案は仕事量を半減すると思っています。
管理職は自分の部下がどんな業務にどれだけ時間をかけているかはあまり知らないのです。
部下にしても仕事はとりあえず始め終わったときが終わったときというのが実態です。
それではタイムマネジメントができているといえません。
私が課長になったとき、最初に手がけたのは、部下全員の過去1年間の業務のフォローアップでした。
私の課は週末に、その週に自分が実行した仕事を「業務週報」という形で上司に報告する習慣がありました。それを活用し、どんな業務をどの程度の日数をかけたのかを分析してみました。
たいして重要でもない業務を2週間も続けていた人もいれば、重要な業務を10日間手掛けたあと中断して完成していない人もいました。
そして、それぞれの業務について重要度に応じて本来かけるべきおおよその日数を設定してみました。
こうして、各業務にかけるべき必要日数を計算してみると、実際に費やした日数の半分でよかったという結果が出たのです。
その業務に見合った適切な計画を立てずに仕事を進めると大きな無駄が発生してしまいます。
仕事に取り掛かる前に、「この仕事は重要なので2週間かける」とか「これはそうでもないので3日で完成させる」といった具合に、その業務に費やすべき大体の日数を決めて計画的に取り組む必要があるということです。
私はこのあと部下に事前に自分の行う業務の重要度と費やすべき日数を記入した業務計画書を提出させることにして私の部署の残業を大幅に削減しました。
すべての業務についてこういうことはできませんが、特に重要な業務については、進め方とか費やすべき日数など上司と部下双方でよくコミュニケーションをとって効率的に進めたいものです。
こうした計画を管理職と担当者が共有することで効率的に仕事をすべきです。
 
会社の仕事は「どの業務もとにかく、頑張ってやれ!」というだけですと、長時間残業につながります。
会社の仕事量は多く、時間は限られています。管理職は業務別にプライオリティを付け、重要度の低い仕事はやらないかとか、やるとしても達成度を6割でよしとするとか決めてやらなくてはなりません。
仕事を進める上で計画を立てるということは必須の前提です。

こうした仕事の計画を立てることは今日とか今週とかといった短期のものだけではありません。
自分が異動してきて着任したら、その職場にいる間に成すべき業務を決め、例えば3年間の中期の計画を立てます。
1年の初めにはその年に成すべき業務をプライオリティを付けて決めます。
いつもそれぞれの期間ごとの計画をもって業務を進めることでメリハリのある仕事のやり方をして組織全体の効率化を図っていくべきです。




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