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管理職の心構え
 
(その10)捨てる仕事を決める

2020.5.2

主として経済学で使われる用語で「パレートの法則」というのがあります。
即ち「国の富の8割は2割の人に帰属する」といった「8割2割の法則」のことですが私はこれをもじって「仕事のパレートの法則」と呼んでいます。
つまり「重要な仕事2割をやればその人のかかえる仕事量全体の8割が達成できる」ということです。

会社には多くの仕事があり、重要な業務もありますが取るに足らない雑用も数多くあります。
そんな中で全ての仕事を完璧にやっていたのでは時間がいくらあっても足りません。
もちろん雑用であってもしなくてはならない業務もあるのでどのくらいの時間をかけてどの程度の完成度で済ますかを始める前に良く考えなくてはなりません。

私は「出ない、会わない、読まない」と言っていますが、これは「会議に出ない」「人に会わない」「書類を読まない」といういささか危険な話です。
会議に出るか出ないかということは極めて重要な決断です。私は、会議は出なくてすむものはできるだけ出ないようにしていました。もちろん、仕事というのは、チームで連携して進めることが多いのですから、会議に出ないというのは難しいことではあります。しかし、報告会のような会議に同じ組織の人が2人も3人も出席する必要はありません。
そんな時は、出席した人に後から結果を聞くということで時間をセーブすべきです。
それほど重要でない会議でも偉い人が出てくるなどでどうしても出なくてはならない会議もあります。そういう会議には出席はしますが、自分の仕事をもっていってアルバイトをします。

また、人と会って話をしなくてはならない仕事か電話やメールで済む仕事かは慎重に考えなくてはなりません。
私はいくつかの政府の審議会の委員をしてきましたが、ときどき事前に役所の担当者2人から事前の説明に行きたいと言われることがあります。私は、ほとんどの場合、断っていました。関連の資料をメールで送ってもらい、資料を読んだあとに電話で話を聞くことにしていました。もし来てもらって、説明を受けるとなると、国家のため働いている官僚の方2人の貴重な数時間を浪費させることになるからです。

先日も私に効率的仕事の進め方の講演をして欲しいという会社があり、どうしても事前説明をしたというので了解したら、なんと5人で来社されました。
そのうえ3人は最後まで一言も話しませんでした。そういう依頼なら来るとしてもせいぜい2人でしょう。そんな会社には効率化のネタが山ほどあるに違いないです。

「断捨離」という言葉があります。「断つ、捨てる、離れる」ということですが、タイムマネジメントというのはどの仕事を切るかということでもあります。新たな重要な仕事が次々に発生してくるのが現実であり、価値の少なくなった仕事を切っていかなくてはなりません。

 




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