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管理職の心構え
 
(その5)勝利への方程式を作る

2019.11.16

組織としていい仕事をしたければ、部下に「勝利への方程式」を教える必要があります。
最近の甲子園での優勝校を見ると、大阪桐蔭、星稜、東海大相模など“常連校”がずらりと並んでいます。5000校もの高校が甲子園を目指している中で、どうして特定の高校がいつも活躍するのでしょうか。
もちろんそこに入学してくる新入生はそこそこの力はあるのでしょうが、他の高校の生徒と比較してかけ離れた実力があるとは思えません。そのような生徒たちが練習を積むうちに、甲子園で活躍できるような実力をつけていくにはいくつか理由があります。
その一つは監督やOBの指導力です。
例えば、バントや盗塁などの技術を確実に身に付けさせる練習方法やスケジュールが確立されているのです。あるいは、生徒の個性を見出し伸ばす育成方法や、大試合でもあがらないメンタル面の訓練などが優れているのです。
生徒の力を最大限に引き出し、勝てるチームを作り上げるいわば「勝利への方程式」ができているのです。

会社の業務も同じです。
仕事ができるかできないかは、「能力の差」よりも「仕事のやり方」(=「勝利への方程式」)の差が大きいのです。少しくらいの能力の差は、考え抜く努力と工夫によって克服することができます。
新入社員がどの部署の誰の下に配属されたかによってその後の成長に大きな差がつくことはよく知られています。
通常は、会社の先輩が仕事のやり方をきちんと教えるべきなのですが、残念ながら多くの企業ではそれができていません。
ところが、優れた仕事のやり方やお互いの知恵を出し合うシステムを、組織の中にビルトインしている会社が少数ながらあります。他の会社があまり実行できていないだけに、そういう会社は極めて強い競争力を持つことになります。

例えばトヨタでは、現場からの改善提案が年間数十万件に及びます。それだけ多くの提案が出される会社のシステムや社員のモラルもすごいのですが、もっと驚かされるは、その実行率が9割だということです。
「トヨタ方式」なるものは巷で散々喧伝され、トヨタに関する書籍もたくさん発刊されています。しかし、本を読んだ人はたいていの場合、「すごいな」と感心するだけで、自分の会社にあった手法に落とし込まないため、結局たいした効果も上げられずに終わってしまっているのです。

役に立つことを見たり聞いたりしても「そうだ、そうだ」と頭では理解しても、それを考え抜いて自らの仕事に反映できる人、実行できる人は本当に数少ないのが現実です。
所詮、「わかること」と「できること」とは全く別なことです。
上司の大事なミッションはその組織の成果をあげることと部下を成長させることです。
部下がいろいろな仕事で勝利できるよう指導しなくてはなりません。

 




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