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管理職の心構え
 
(その19)話を聞く

2021.11.8

管理職というのは自分の課を構成する全員のアウトプットを最大にするという使命をもっています。
管理職が特定の個人の力をいくら伸ばしても評価は上がりません。その課に10人いたらその10人全員の力を合わせたものをいかに成果あるものにするかが日々問われています。
そのためにまず第一にしなくてはならないことは部下の心を掴むことです。
どうやって部下の心を掴むかというと適切なタイミングで部下の話を聞いてやること、そして部下の成長をいつも考えそのために全力を尽くすこと、何かが起こったときに部下に救いの手を差し伸べることです。
部下全員が気持ちよく仕事ができることによってその組織の大きな成果につながっていきます。

私は春と秋年に2回、部下と約2時間ほどの面談をしていました。
最初はご両親や奥さんや子どもさんのことなど家族のことを聞いたり、若い人には今付き合っている相手のことを聞いたりしていました。
私がその人のことを心から心配し、何かあったら手を差し伸べたいという気持ちが伝わりそしてその話がどこにも漏れないということなら部下はいろいろ話してくれるものです。
その人が仕事をのびのびとでき100%の力を出し自分の能力を最大限発揮してもらうためには抱える問題や悩みごとなどが少ないことがとても大切です。
だれでも何がしかの制約や悩みを抱えているものです。それを聞いてあげることによって解決はしないまでも肩の荷を少しは軽くしたり、何かアドバイスができるかもしれません。
そうやって私は面接で1時間近くプライベートな話を聞いてから次に仕事の悩みや具体的な仕事の相談に乗っていました。

こうした部下との対話で大事なことは話すが2、聴くが8ということです。つまりこちらからの意見や考えはなるべく抑えて部下の話を聴くことがこうした面談では大事なことです。
「対話とは聴くこと」なのです。
普段は仕事が忙しくゆっくり話をしている時間がないかもしれませんが、年に2回長い時間をとって十分なコミュニケーションをとるようにしていたら仕事はスムーズにいきます。
親にも相談できないことを会社の上司に相談するということは、ある意味ではイレギュラーなことかもしれません。
しかし会社の仕事はチームでするわけですからできれば部下は自分の家族と思って対応するのが効果的です。

そうはいっても、管理職という仕事は部下のプライベートなことを理解し支えてやることが本業ではありません。
一番大切なことはチームとして評価されるきちんとした結果が出るように部下を指導し能力を高めることです。
そのためにもこのリーダーについていったら間違いないと思わせる信頼関係を作り全員のモチベーションを上げておくことが必要なのです。




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