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管理職の心構え
 
(その13)多様性を活かす

2020.7.15

現政権は成長戦略のひとつとして女性の活用=ダイバーシティを打ち出しています。
ダイバーシティとは日本語で「多様性の受容」と訳されますが、人のさまざまな違いを尊重して受け入れ、「違い」を積極的に活かすことにより変化し続ける環境や多様化する顧客ニーズに効率的に対応するということです。

組織にとってダイバーシティが重要な経営戦略である理由のひとつは、さまざまな人の個性や能力を認めることでその人の良さや強さを引き出すことになるからです。つまり組織を構成するすべての人の力を最大限アウトプットさせようということです。
過去、日本の社会は日本人・男性・大卒・正社員という人たちを中心とした人事システムや考え方をしてきました。こうしたひとつの型にはまったやり方は、組織を構成するさまざまな人たちの能力を発揮することを阻害します。
結果として組織全体のマンパワーを引き出せないということになります。
現在は外国人でも女性でも非正規社員でもすべての力を引出して経営効率を上げていかなくては生き残れない時代ですからこうしたダイバーシティの思想が重要なのです。

ダイバーシティの重要性の2つ目は、多様な考え方を採用することで組織運営が誤らない、あるいはより良い方向へ行くということです。
ダイバーシティと言うのはもともとアメリカで起きた考え方ですが、アメリカでは人種や宗教など多様な社会で、そのような社会では違いを認めないと社会が成り立たないという事情があります。
それに対して、日本はほぼ単一民族的でもあり、宗教の対立もあまりなく、どちらかというと、モノカルチャーの社会といえます。モノカルチャーの組織は、みな似たような生き方や考え方をしますから、組織のトップが「これでいく」といえば全員それに従うのでスピード経営が可能です。
しかし、モノカルチャーの組織はそれだからこそ弱いともいえます。そういう組織ではみな一斉に同じ方向に走り出し、その結果大きな過ちを犯す危険性があります。
仮に違った考えの人がいて異議を唱えたら、組織の中にコンフリクト(対立)が生じます。そうするとその方針が正しいのかどうかという検証の作業が起こり、その結果OKとなったらその方針で進みますし、NOとなったら修正します。つまりダイバーシティを取り入れることで組織の進む方向を間違わずに済むということになります。

よく気が付く人や仕事が早い人がいる一方で、少し仕事の処理は遅いもののしばしば優れたアイディアを出せる人、話し方は今ひとつだが簡潔でわかりやすく文章を書ける人、日本語はあまりうまくはないが独創的な考え方をする外国人、車いすに乗っているがきちんとした製品を作れる身体障がい者。
管理職はこういったさまざまな部下のリーダーです。正規社員もいれば非正規社員もいます。女性もいれば男性でも少し変わった人もいます。
そういう人も含め組織を構成する人すべての人の個性と能力を尊重しその力を最大限引き出さなくてはなりません。

 




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