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佐々木常夫流・7つの習慣(その17)
2018.4.2
第U領域は自分で決めて実行する ただし上司の了解をとっておく
■あなたが最重要だと思うことを、最優先事項にすればいい
ある企業に招かれて講演したとき「重要な仕事とそうではない仕事はどうやって見極めればいいのでしょうか」という質問が出た。 この質問は、前のページで紹介したマトリックスでいえば、「第U領域の仕事とそうでない仕事は、どうやって見極めればいいのでしょうか」というのと、同じ意味の質問である。第U領域の活動を最優先させるべきであることはわかっていても、では自分にとって何が第U領域に該当する活動なのかがつかめていない人も多い。私は、「あなたが最重要だと思うことを、最優先事項にすればいいんです」と答えた。人生や仕事において成し遂げたい目標は、人によってそれぞれ異なる。目標が違えば最優先させるべきことも当然違ってくる。だから最優先事項は自分で決めるしかない。またそもそも「人生や仕事において成し遂げたい目標が特にない」という人の場合は、もう一度第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」に戻って考えてみる必要がある。ちなみにコヴィー氏は、次の二つの質問に対する答えを考えると、自ずから自分が取り組むべき第U領域が見えてくるという。
質問一
現在はしていないが、もし日ごろから行っていれば、あなたの私生活に大きくポジティブな結果をもたらすと思うことを一つ挙げるとしたら、それは何だろうか。
質問二
同様に、あなたの仕事や専門分野で、ポジティブな結果をもたらすと思うことを一つ挙げるとしたら、それは何だろうか?
(『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』P205 ─ 206)
第T領域(緊急かつ重要なこと)のほとんどは、仕事の場面で言えば上司からの指示やお客さんからの要求など、他者から言われて動かなくてはならないことである。
自分の意思で動くというよりは、人の都合に合わせて動かされていることが中心である。 一方第U領域(緊急ではないが重要なこと)の場合は、緊急ではないわけだから上司やお客さんから急かされるようなことはない。つまり他者は何も言ってくれないので、何が自分にとっての第U領域なのかを自分で考えて決める必要が生ずる。
そのときにはコヴィー氏が挙げた「質問一」や「質問二」のような問いかけを自分自身に行うと、自分にとっての第U領域が見えてくるというわけだ。
■上司から了解がもらえれば、大手を振って第U領域に取り組める
私は先ほど「自分が最重要だと思うことを、最優先事項にすればいい」と言った。ただし仕事について言えば、自分なりに最優先事項を決めたあとには、上司に一度確認をとってみることも大事になる。私自身も会社員時代は、自分がこれから最優先したいと考えていることを上司に報告・相談するようにしていた。課長だったときには、あらかじめ部長にアポイントを入れたうえで、2週間に一度のペースで30分ほど時間をとってもらうようにしていた。上司に報告・相談を行うことのメリットは大きく二つある。一つは自分の判断に思い込みがないかどうかを検証する機会になるということ。
もう一つのメリットは、「よし、その方向でやりなさい」と上司からの了解が得られたときには、大手を振って最優先事項に取り組むことができるようになることである。
■第U領域以外の仕事は、明るくにこやかに「ノー」と言う
上司の中には、「最優先事項を優先することが大事」という意識が低く、成り行きで部下に指示を出すようなタイプの人もいる。こういう上司の下で働いていると、いつも第U領域(緊急かつ重要なこと)や第V領域(緊急だが重要ではないこと)の仕事が振ってきて、いつまで経っても第U領域の活動に取り組めないということが起こる。こんな場合は明るくにこやかに断ることである。
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