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ビジネスマンのための論語
 
ビジネスマンのための論語(4回)

2015.6.1

子曰く、力足らざる者は中道にして廃す。
今、女は画れり



力不足のものはやれるところまでやって倒れればよいのだ。お前はやる前から自分で自分の限界をつけている。
弟子の冉求(せんきゅう)が「先生の教えは素晴らしいとわかっていますが、私は力不足でとても学びきれません」と言った際の孔子の言葉である。
人は自分を実態以上に過大評価するか、それとも過小評価するのか、どちらだろう。
私が見るに、多くの場合、人は自己評価が低い。
トライする前から「どうせ俺には才能がないから」とか、「自分はこんな程度のところが似合いだ」などと考える人が多い。
そう思って生きる方が楽なのだ。そう思えば高い目標も掲げないで済み、その結果努力しないことになるが、その方が苦労しないでいいからだ。
ベストセラーとなった林真理子さんの『野心のすすめ』には、人は野心を持つことで、難しいこと=高い目標にチャレンジすることになり、それが成功につながると書いてある。
彼女は、「自分は一流の物書きになるんだ」という高い目標を持っていたからこそ自分を鼓舞し、ひとかどの作家になれたという。
その通りで、人は目標が高ければそれに向かって努力するので、そういう目標を持たない人より成長する。
世の中で何かを成し遂げた人というのは、高い目標を持った人のことだ。
「私は将来社長になる」と考えるビジネスマンは、仮に社長になれなくとも昇進しようと努力する。しかしそういう人は、今や昔に比べれば相当減っている。
人は思ったことがないものには決してなれない。
多くの人は「どうせ自分はなれない」と早い段階であきらめてしまうことが多く、そういう人は出世などおぼつかない。
たしかに昔の人は、経済も右肩上がりで会社も成長していたので、将来は明るいと感じることが多かったかもしれない。それに対して最近はデフレ経済の下、それほど期待が持てないのは事実だ。
しかし、だからといって目標を低くしたら、結局それ以下にしか到達できないということになる。自分の目標を超える結果は出ないものだ。
野心を持つ、高い目標を持つということは、人が納得できる人生を送るために必要なことである。

君、命じて召せば、駕を俟たずして行く


上司から呼び出しがあった際には、(車に馬をつなぐのを待たずに)すぐ馳せ参じるくらいの鋭敏さを持つべきだ。
仕事をしていると、上司から急に「君、ちょっと来てくれ」だとか、「君、この仕事をして」と声がかかることがある。
そんな時、「今、ちょっと手が離せないです」とか、「やりかけの仕事があるのです」とか、否定的な返事は言語道断、すぐに馳せ参じ「わかりました。さっそくやらせていただきます」とまず答えることが肝心である。
ビジネスマンにとって何が大事といって、上司は何よりも大事な存在である。自分を評価するのも異動を決めるのも自分ではなく上司だ。上司を大事にせず、何を大事にするのか。
指示された内容をよく調べて、例えばやはり今自分がやりかけている仕事を優先した方がよいと思ったら、改めて上司に「いろいろ検討したのですが、今やりかけの仕事はこのような緊急性があり、これを済ませてからご指示の仕事をいたします、二日間ほど時間を下さい」と返事する。つまり指示されたことはとりあえず受け入れて、そのあとで説明することが大事だ。
部下にはいろいろなタイプがいる。
指示されるとすぐ忙しいとか反発する部下もいれば、「わかりました。すぐやります」と答えるが、すぐにはやらない部下などもいる。上司にとって、これらのタイプはどちらも可愛くない部下で、そのような人の先は見えている。
人に仕える人間にとって大事なことは、まず上司の指示を受け止め、スピーディに仕上げること。そしてそのとき自分なりの考えや付加価値を付けること。なんでも言われた通りにしていたのでは上には「それだけの人間」としか見られない。



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