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ビジネスマンのための論語
 
ビジネスマンのための論語(6回)

2015.7.18

子曰く、いやしくもその身を正しくせば、政に従うにおいて何かあらん。その身を正しくすること能わざれば、人を正しくすることを如何せん


 政治家自身が正しい行動をしているならば、政治を行うことなどわけもないこと。自分自身が正しい行動をとっていないのに、国民を正そうなどというおこがましい考えを起こすから難しくなる。

 孔子は指導者が身に付けるべきは、@品性、A正義感、B誠実さとしているが、これらを表しているのがこの章句である。
現代のビジネスリーダーに必要なものはなんだろうか?
 (1)専門知識、(2)コミュニケーション能力、(3)行動力などを挙げる人が多いかもしれない。
しかし孔子は、そんなことより品性、正義感、誠実さといった人間として正しく生きる志が大事だと考えている。
こうした澄んだ人間性、人としての高貴さ・気高さなどを持っていれば、常に正々堂々とことに対処できるし、リーダーとして周りからも信頼され尊敬される。
論語が二千五百年の歴史を経ても今なお人の心をとらえ読み継がれているのは、人間として、リーダーとして、必要不可欠な高い人間性を説いているからだろう。
ビジネスをしているとき、その人の力強さや説得力を感じるのは、決して豊富な知識や巧みな話しぶりからではない。
その人が自分の欲を超えた高い志を持ち、どういうことがお客さまや社員にとって幸せなことか、あるいは正しいことかを認識して行動をしているときである。

子曰く、過ぎたるは猶及ばざるが如し


 子貢が「師(子張)と商(子夏)とではどちらがすぐれていますか」と尋ねたら、孔子は「師はいきすぎている、商はいきたらない」と言った。「それでは師が優っているのですか」というと、「二人とも同じでどちらも中庸を得ていない」と答えた。

 ビジネスは何事も手をかけ丁寧にすればよいものではない。人に与えられた時間には限りがある。その目的に応じた適切な時間配分が必要になる。
かつてプラスチック事業を担当していた時、世界的需要の高まりの中で欧米や中国でいくつか工場を建設したことがあった。
中国の深?に小さな樹脂のコンパウンドの工場を新設しようとしたとき、トップから、世界のコンパウンドの需要と供給のバランスがどうなっているかとの質問があり、関係者がかなり時間をかけ追加の作業をしたことがあった。世界の需要からみたら深?の工場の規模など、1%にも満たなかったし、供給先は中国華南のユーザーなのである。世界の需給バランスは、それほど重要ではなかった。
たとえてみれば、福岡で屋台のラーメン屋を出そうというのに、世界のラーメンの需要と供給を調査するようなもので、あまり意味のない作業といえる。
日本企業のホワイトカラーは生産性が低いことが多い。これは無駄なことをしていることに大きな原因があると感じる。


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