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ビジネスマンのための論語
 
ビジネスマンのための論語(2回)

2015.4.30

子曰く、性相い近き也。習い相い遠き也
子曰く、教え有りて類なし



前段は、人間の生まれつきの能力は似たようなものだが、しつけや教育によって大きな差が出る。
後段は、人間は教育によって大きな差が出るのであって、生まれつきは類別できるような差などないと、いずれも人間の持って生まれた能力よりもその後の教育の方が大事だと言っている。
しかし本当にそうなのだろうか。
小学校でも中学校でも、元々勉強のできる子どもがいる。もちろん有名中学や有名塾に通い、訓練によって学力を向上させることは可能だが、あるレベルの能力がなければいくら勉強しても、一流大学には入れない。
これがスポーツならなおさらのこと無理で、足の速さや敏捷性など持って生まれた能力の差は埋めようがない。
普通の大学の野球選手だったらイチローや松井選手どころか、プロの二軍の選手にすら逆立ちしてもなれない。
おそらく孔子が言っていることは、持って生まれた能力が「同じようなレベルなら」、努力した方が勝ちだということだろう。
会社の中でも入社当時はそれほど目立たない人がこつこつ仕事をし、一つ一つのことに真剣に取り組んでいるうち、驚くほど成長したという例は私の周りにはいくらでもある。
ある意味、こつこつ努力できることは才能である。また難しい仕事にチャレンジしようという強い志を持つことも極めて大きな才能である。
そういう意味では、似たようなレベルの人間同士なら、その人が目の前に与えられた仕事に全力で真摯に取り組む姿勢のほうが、才能より勝ると言える。

子曰く、これに先んじこれを労う。益を請う。
曰く、倦むことなかれ



何事をなすにせよ、すぐに怠けたり、飽きて投げ出したりしてはいけない。
これは子路が政治のありようを孔子に訊ねたときの返答である。
政治に限らず、何事にも通じる考え方で、「継続は力なり」ということである。
例えば音楽史上に残る偉大な人の名曲は、その音楽家のインスピレーションが湧いたから作曲できたのではない。毎日のように作曲を続けたからインスピレーションが湧いたのだ。ベートーベンもワーグナーもモーツァルトも来る日も来る日も作曲に取り組み、そうした継続した努力があったから数々の名曲を生み出せたのだ。
もちろん彼らに常人とは比較にならない才能があったのは事実だが、それだからといって、作った曲がみな名曲だったわけではない。膨大な作曲を続けることで、あるとき、歴史に残る作品が生まれるのだ。
成功の秘訣は最後までやり通すことだ。自分の生き方の骨組みを作り上げる必要がある。そのために自分の何を向上させたいのか、どのように向上させたいのか、いつ自分を向上させたいのかなど自分に問うてみる。そして毎日の行動、つまり良い習慣を作り上げていかねば、人生を変えることはできない。
私は、「良い習慣は才能を超える」と考えている。
良い習慣を持っている人は、毎日確実に成長していって才能ある人を抜いていく。良い習慣とは、行動する前に計画を立てるとか、仕事の重要度を評価するといったことだ。
そのような習慣は、思い立った今から、今日から、始めなくてはならない。
マザー・テレサは言った。
「昨日は過ぎ去った。明日はまだ来ていない。私たちにあるのは今日だけ。では始めよう」 言い訳はいらない。とにかくいますぐの実行である。



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