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佐々木常夫流・7つの習慣
 
佐々木常夫流・7つの習慣(その14)

2017.4.4

仕事と生活のバランスを意識した
ミッション・ステートメントを書こう



■人生の目的が仕事だけになってはいけない

 ビジネスパーソンの中には、仕事を中心に1日が回っている人が多い。こういう人はミッション・ステートメントを書くときにも、つい仕事に関係する内容ばかりになりがちである。しかしコヴィー氏は仕事人間に対してこんな警告を発している。

「人生をもっと効果的に生きる努力をするときに陥りがちな問題の一つは、思考の幅が狭くなってしまうことである。効果的に生きるために必要な平衡感覚やバランス、自然の法則を失ってしまうのだ。たとえば仕事に打ち込みすぎて健康をないがしろにする。成功を追い求めるあまり、かけがえのない人間関係をないがしろにしてしまうこともあるだろう」(『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』P176)

「仕事を通じて自分の可能性を追求したい」、「自分を成長させたい」という気持ちを持つことはとても大事である。けれども人生の目的が仕事だけになってしまうと、コヴィー氏が言うように、健康や家族・友人・近隣の人との関係など、かけがえのないものを失ってしまうことになる。
 また逆説的な言い方をすれば、仕事オンリーの人間は、いずれ仕事においても壁にぶち当たるときが来る。組織の中で高い地位に就けば就くほど、人間的な幅や視野の広さ、社会の動きを読み取る力など求められようになる。そのためには社内の限られた仕事や狭い人間関係の中だけで生きるのではなく、異業種交流会などを通じてまったく違う世界で働いている人たちの生き方や考え方に触れたり、芸術鑑賞や海外旅行などにも時間を割くことが大切になってくる。ですから私はよく「30代まではがむしゃらに働いてもいい。でも40代からはしなやかに生きなくてはいけない」と言っている。
 そもそも仕事は一生できるものではない。会社を退職したあとには、長い第二の人生が待っている。そのときに家族との絆も希薄で、コミュニティとのつながりも切れており、打ち込める趣味もないというのでは、仕事においては成功者だったとしても、人生においては失敗者になってしまう。とても寂しい老後が待っている。


■「仕事上の役割」と「私生活での役割」を考えながら書く

 ですからコヴィー氏は『7つの習慣』の中で、ミッション・ステートメントを書くときには仕事上の役割だけではなく、夫、妻、父親、母親、隣人、友人、コミュニティの一員など、私生活での自分の役割についても考えたうえで書くことが大切だと述べている。そして具体例として左ページのコラムのように、ある会社経営者が書いたミッション・ステートメントを紹介している。
 このように自分の人生におけるさまざまな役割を念頭に置きながらミッション・ステートメントを書くと、バランスのとれた内容になる。
また「ミッション・ステートメントを折に触れて目にすれば、一つの役割だけに注意が向いていないか、同じような大切な役割、あるいはもっと大切な役割をないがしろにしていないか、確かめることができる」(『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』P177)ようにもなる。
 世の中には仕事の成功だけではなく、家族や友人や近隣の人たちとの豊かで充実した暮らしを手に入れている人がいる。こうした私生活面での幸福は、たまたま偶然得られるようなものではない。そういう人生を自ら望み、選択し、努力をすることが必要となる。家族や友人やコミュニティを大切にしたいのなら、ミッション・ステートメントにもしっかりと書き込んでおかないと、得られるはずの幸福が逃げていってしまう。


・佐々木常夫流・7つの習慣(その1)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その2)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その3)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その4)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その5)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その6)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その7)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その8)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その9)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その10)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その11)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その12)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その13)
・佐々木常夫流・7つの習慣(その14)