先日ある大学からワークライフバランスの話をして欲しいと頼まれ出向いた。その大学はゼミでそのことを研究課題にしているとのことだった。 最近はまだ働いてもいない学生がワークライフバランスに興味を持つようだが私の話を聞いた学生の反応は企業の場合に比し、いまひとつだった。 ある会社の採用担当者が入社希望の学生に「どのような点を重視してわが社で仕事をしたいか」とい聞いたら「ワークライフバランスを重視したい」と答える学生がいたそうだ。 早くから自分のプライベートを大事にする心がけはそれなりに理解できるがちょっとタイミング的にミスマッチではないか。 会社というもの仕事というものが十分わかっていないというか、まだ経験もしていないものを先取りして学習しても無駄になってしまうことが多いと思う。 それに会社や仕事を理解するためには若いうちはともかく目の前の仕事に全力を挙げないとその意味するものを正しく理解できないしプロにもなれない。 自分に与えられた職務に全力投球しているうちに次第に社会のことや多くの人間を知るようになり、その中で自分が生きる意味働く意味を学んでいく。 一方、40代後半になっても夜遅くまで働くような人はその間、そういう努力をしなかったいわば未学習な人ともいえそのような人は50代になると会社のお荷物になってしまうケースが多い。 私がワークライフバランスを説く主たる対象者はそういった中間管理職でありそういう人たちに話したとき理解が進むようである。 ある程度経験を積んで仕事の内容や会社の仕組みを知った人がワークライフバランスの重要性を理解できたとき、自分も職場も変えていける。