ケント・M・キースという人が1968年「逆説の10か条」というメッセージを書いた。 それが最近は本でも翻訳され『それでもなお人を愛しなさい――人生の意味を見つけるための逆説の10か条』として出版された。 その本には「それでもなお弱者のために戦いなさい」とか「それでもなお良いことをしなさい」などが書かれている。 この逆説の10か条で私が最も難しいと思ったのは第1条の「人は不合理で分からず屋でわがままな存在だ。それでもなお人を愛しなさい」という言葉である。 第2条から10条までは、それはそれなりにできるかと思ったが、この第1条はそう簡単ではない。 世の中には不合理で分からず屋でわがままな人だらけでなかなか「それでもなお人を愛しなさい」ということにはならない 鷹揚な人で大方の人を好きになる人でも10人に一人や二人嫌いな人がいるものだ。 一方で自分の家族についてはほぼ無条件で愛するし 私も3人いる子どもについては自閉症の子どもも含めみな愛している。 また、私の妻は10年間ほどうつ病にかかったがそれなりのサポートをし彼女は回復した。 家族の生命と心を守るのは当然だし家族に対する愛情というのは無条件の愛、無償の愛だと思う。 だったらその無償の愛をどうして他人に向けられないのだろうか? 家族へは無償の愛ができるなら自分の友人、隣人、会社の同僚に与えてもいいではないか。 人に与える愛情の絶対量に制限はないのだからできるだけ多くの人に愛情を注いだらいい。 人は人に愛情を受けたらどんなに嬉しく幸せになることだろう。 周りの人たちを家族に近い感情で愛することができたら周りの人たちは多くの幸せをつかむことになり自分も幸せになるだろう。