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誰かのために働くかということ

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日本中に感動を呼んだ「日本一大切にしたい会社」(坂本光司著 あさ出版)の中に中村プレイスが紹介されている。その会社の中村俊郎社長が「コンビニもない町の義肢メーカーに届く感謝の手紙」(日本文芸社)という本を出した。
冒頭、乳がんの手術で片方の乳房を切除してしまい何年かにもわたってつらい思いをされてきた40代の女性からの手紙が紹介されている。
「このたびは本当にお世話になりました。待ちに待った私の分身を手に取ったとたんうれしさといとおしさで胸が一杯になり涙がこぼれて止まりませんでした」
7歳の女の子から「おじさん元気ですか?わたしは元気です。作ってもらった耳はとってもすごかったです。すごいしりっぱでした。うれしかったです。ありがとう。」
手や足をなくした人、乳房を失った人の義肢作りを通して出会った34通の手紙。
受け取った人たちの心からの感謝の気持ちが伝わってきてしばしば読むのを中断してしまった。
中村俊郎さんはお姉さんが勤めていた病院の先生が「自分の息子がもし医学部に入れなかったら技手製作の仕事をさせたい」という言葉をきいてこの仕事を選んだという。
一人アメリカに渡り修業を積み日本に帰国してから島根県大田市大森町 わずか500人の町で全く一人で仕事を始めいろいろ苦難の道を辿りながら今日の会社を作った。
従業員は70名、年間の売上高は10億円、社員みんなが仕事の姿勢の原点に人のために尽くしたいという気持ちがあり、また仕事の結果に感謝してくれる多くの手紙がやりがいと喜びになっている。
遠く北海道や大阪からも入社してくるという。
このような仕事ができるこの会社の社員はうらやましいとは思うが中村プレイスほどではないにしてもどんな会社でもみな社会に貢献している。そのことを経営者は自分の心の真ん中におき社員と共有していくことが大事だとしみじみ思う。

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