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パンダの経済効果

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先週、中国から比力(ビーリー)仙女(シエンニュ)5歳のパンダが上野動物園に到着した。
最初に中国から日本にパンダが来たのは1972年、日中友好条約締結記念としてカンカンとランランであった。その後9頭のパンダが日本に送られてきてリンリンが亡くなった'08年以降上野動物園からパンダは消えてしまった。
今回は例の漁船衝突事件などで悪化した日本国内の対中感情を改善したいという中国政府の思惑が透けてみえる。
ところで今回のパンダのレンタル料として東京都が中国に支払う8000万円の金額について「いささか高い」という報道が流れている。この金額は高いのだろうか?
上野動物園の入場者を見ると、パンダが来る前年の1971年は400万人、'72年は500万人、'74年は760万人となっている。パンダがいなくなった'08年は300万人と大幅に減少した。今でも上野動物園は日本一ではあるが第2位の旭山動物園の250万人に猛迫されている。
これらの入場者数を見ると簡単には言えないもののパンダ効果はおおよそ300万人強と言えよう。
上野動物園の入場料は大人600円、中学生200円であるが小学生の来場も多いので仮に平均300円とするとそれに300万人を掛けて「パンダの経済効果(入場料だけで飲食などは除く)はざっと10億円」と言えるかもしれない。
その経済効果からみたら8000万円のレンタル料など取るに足らない金額かもしれない。
そんなお金の計算よりもパンダが到着した深夜一目パンダの車を見ようと(もちろん本物は見られない)多くの人たちが目を輝かせていた映像をテレビで見て、不愉快な話題が多い昨今、明るい話題を提供してくれるパンダに感謝したものだ。

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