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高齢者の介護を誰がする

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最近「介護退職」という現象が起きている。40代50代の働き盛りの人が親の介護のために会社を辞めなくてはならない事態が多くなってきた。
その数は6年前に5万人といわれたが、昨年の統計では10万人と推定されている。
認知症はつい最近まで150万人といわれていたが昨年200万人を越えたという。日本の高齢化は急速に進むのですぐ300万人になるだろうから介護退職者の数は跳ね上がっていくだろう。
かつての大家族世帯は減少し、単身世帯、二人世帯が急増中である。
子どもは結婚しても親とは同居しないから老親は夫婦二人で暮らすことになるのでどちらかが介護の必要が起こると老々介護となる。一人になって体が弱ると介護する人がいないということになる。
また年をとっても未婚の子どもが多く子どもが親の介護をするケースも多くなっているが子どもはますます結婚しにくくなる。
家族による世代間の扶助関係の衰退は目を覆うばかりで今後は大量に発生する要介護者を少数の家族が面倒見ることは次第に困難になっていくだろう。
現在、特別老人ホームの入居待機者は40万人と推定されている。
これは介護の需要に対し圧倒的に供給が不足しているからだがその背景には経営面と人材面での参入規制があることも一因とされている。介護分野には自治体、医療法人、社会福祉法人以外が参入できず、また介護福祉士の資格取得も難しいからだ。
これらについて非営利組織(NPO)や企業にも介護の仕事ができるようにしてもっと安価で効率のよいシステムを導入すべきだし、介護には単純労働の場面も多いので難しい資格などいってないでそういう仕事をしたい人にもできる体制を早急に導入すべきだろう。
ぐずぐずしていると要介護者が溢れかえりこの国はどうにもならない事態になってしまうのではないだろうか。

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