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隙間時間を使い切る知恵を

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バカにできない「隙間時間」 カバンに4つのファイルを
 私は現在、横浜市の綱島に住居を構えている。自閉症の長男の施設の関係があって、どうしても横浜に住みたかったのだ。勤務地は千葉の浦安である。
通勤は、東急線--日比谷線--京葉線と3本の電車を乗り継いでいくが、片道約1時間半の道のりである。7時前には家を出るので、通勤電車は大変空いている。東急線の中目黒駅で乗り換えるのだが、日比谷線の始発駅なので1列車見送れば座っていくことができる。京葉線も通勤ラッシュとは反対方向なので座れる。
この「隙間時間」を仕事に活用しない手はない。私は、通勤時間1時間30分の最初の30分で日経新聞を読むのだが(もう一紙は朝食のとき読み終える)、残り1時間は仕事タイムとして使う。そのため、私のショルダーバッグには、いつもクリアファイル4個を入れている。つまり、4種類の仕事をいつも持ち歩いているのだ。
したがって、往復2時間は私の仕事タイムになっているのだ。
通勤時間だけではない。内閣府や国交省の審議会に出席するために、しばしば霞が関に行くが、その移動中も業務時間である。あるいは、会議と会議の間に少しでも「隙間時間」が生じると、すぐにショルダーバッグから書類を取り出して仕事にとりかかる。この原稿も、この「隙間時間」にだいぶ書き進めることができた。
この「隙間時間」はバカにできない。「隙間時間」を積み重ねることによって時間は驚くほど増大するのだ。

「隙間時間」に眠るのはもったいない
私は、基本的にはムダな会議には出席しないようにしているが、立場上、止むを得ず出なければならない会議もある。そんなときには、この4つのファイルが活躍する。つまり、会議中に"アルバイト"をするわけだ。半日ほどの無用な会議の中で、2つくらい大きな仕事が完成するのだから侮れない。
しばしば乗る新幹線などは、絶好の仕事タイムである。なにしろ、電話も来ないし、他人の邪魔も入らない。「時間予算」(自分の時間のうち使える時間)は30%ではなく100%なのだ。通勤時間や新幹線で私は眠ったことがないが、驚くことにかなりの乗客が居眠りをしている。なんともったいないことだと思う。

仕事は発生したその場で片付けろ----現場主義
レポートや議事録などの書類を「後でじっくり書き上げよう」といって、後回しにしていないだろうか? それでは、効率的な仕事はできない。
私はスタッフの仕事が長かったため、経営会議などの事務局を数多くこなしてきたが、その議事録は不十分でもよいから、とにかく必ずその日のうちに書き上げることにしていた。1日経つとそれだけ記憶が薄くなるし、精度も落ちてしまうからだ。
プラスチック事業の企画部長のとき、グローバル化の仕事に取り組んだ。
なにしろ3年間で全世界で12件、約1000億円の設備投資を実行した時期である。毎月のように海外出張をし、毎月のように発案書を書いていた。そのような時期に、例えばニューヨークから日本へ戻る飛行機が離陸した後、1時間半で出張レポートを書き上げるわけだ。
本当は疲れているのでアルコールでも飲んで眠りたいところだが、そんなことをして帰国すると大変である。留守の間に溜まった1週間分の書類と部下の相談事、そして上司の指示が待っている。それらに対応しているうちに、どんどん日は経っていく。記憶も薄れ、出張リポートの品質は劣化していくわけだ。
こうしたやり方を私は「現場主義」と呼んでいる。仕事は現場で片付けることがスピードアップに繋がるし、仕事の精度も高まるのである。
大阪で会議をしたあと、東京へ戻る新幹線の中で会議のポイントを簡単にメモする。来客があったり、打ち合わせをしたあと、次の仕事にとりかかる前にその内容を振り返ってメモを書く。会議が終わって自分の職場に戻ったら、その会議で議論されたテーマについてのメモ(もちろん会議の最中に書く)をコピーして、すぐ関係者を呼んで結論や指示を伝える、といった具合である。
「現場主義」の徹底は、仕事を効率的にする。

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