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一般: 2010年5月アーカイブ

オチョアの引退

女子プロゴルフ世界ランキング1位で電撃的に引退を表明したメキシコのロレーナ・オチョアのニュースは、ゴルフ関係者のみならず、多くの人に衝撃を与えた。
彼女は'07年から3年間に渡り世界1位の座をキープしたばかりでなく、まだ28歳という若さで、まだまだその活躍を期待されていた。

彼女は昨年12月にメキシコの航空会社の幹部と結婚したが、相手は再婚で前妻との間に3人の子供がおり、今回の引退は家庭生活を優先させたためとされている。
これが男性のプロゴルファーだったらどうだろうか。子どもや妻のため、その仕事を捨てるだろうか。「男はそんなことはない、だから女性は・・・」などという中高年男性の声が聞こえてくるようだ。

会社で将来を期待され、社内随一の仕事振りであった女性が出産、育児の過程で辞めていくことをどう考えたらいいのだろう。
もちろん男性にも仕事か家族かといったことにまれに直面することはあるが、女性の場合の多くは現実的で深刻である。

男性には決して起こらない悩みであるが、「だから女性は・・・」ということではない。
ダイバーシティは雇用均等法のような男女を同一視する考え方ではなく差異は認めるという考え方である。

彼女は自分のゴルフでの生き様と家族の有り様とが大きく目の前に立ちはだかり、真剣に悩み最後に家族を選んだのだ。

ゴルフが嫌になったのではない。記者会見の涙は自分の志の一つをもう一つの志によって捨てざるを得なかった悔いの涙でもあったのではないかと私は感じた。
そのような選択をした人が自分の身近にいたらどれほど幸せな気持ちになるだろうか。
そしてそんな女性が子育てを終え再びゴルフ界に戻ったらテニスのクルム伊達のようにまた違った感動を与えるだろう。


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