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2009年2月アーカイブ

部下を定時に帰す仕事術

仕事術の本を読んでも仕事師にはなれない
buka.jpg私はこの2月に「部下を定時に帰す仕事術」という本を出版した。
「仕事術」には類書が多いが、部下を持つ課長クラスに照準を合わせた仕事術は他にあまり例がないと思う。
実は2年前に自閉症の長男と肝硬変にうつ病を患う妻を抱えて会社の仕事をしてきた体験を「ビッグツリー」という本を出版したがそれなりの反響がありすでに10刷となっている。
出版社から、今度は世のビジネスマンへの応援歌を書いて欲しいといわれ、私には普遍的な仕事術のことは書けそうにないが東レという会社のなかで企画や管理の仕事を通じて実践してきた仕事のやり方についてはそれなりのノウハウがあるのでそういった視線でこの本を書いてみた。
出版するに当たり世にある仕事術なる本を調べてみたら、野口悠紀雄、勝間和代、本田直之、吉越浩一郎などさまざまな人たちがこの類の本を著していて結構な販売部数になっている。
多くのビジネスマンが毎日の仕事を効率的することに関心があるからだろう。
しかしこのような仕事術の本をたくさん読んだからといって仕事が効率的にできるものではない。

仕事への愛情が必要
成果ある仕事の仕方をするために最も大事なことは仕事に対する愛情ではないかと思う。
仕事と言うのは生活のため稼ぐということよりも自己実現の場としての意義が大きい。
最近「日本で一番大事にしたい会社」という本が注目を浴びているがその中に出てくる会社のなかに日本理化学工業という会社がある。
その会社の社員は75名だがそのうち54名が障害者である。その人たちが一生懸命働く姿を見てその会社の社長が障害者の本当の幸せとはなんだろうかと思ってある導師に尋ねたところ、その導師は次のように答えたという。
「人の幸せは人に愛されること、人に褒められること、人に役に立つこと、人から必要とされることの4つです。働くことによって愛以外の3つの幸せを得られるのです」
仕事を通じて人は幸せになれる。この本を読んでこの会社で働く障害者がいかに仕事を愛しているかが伝わってくる。
仕事への愛情があれば、仕事術の本を読んでも何がしかのヒントを得るだろし、そのような本を読まずともどうしたら成果あることになるか日々真剣に考えその手法を自分なりに身につけていく。

形から入るという方法も
しかし本当に仕事を愛している人はあまり多くない。そういう人たちには形から入いるというかいろいろ強制的にするやり方が有効である。
よくノー残業デーとか8時になったら消灯とかいう時間を制限するやり方である。
経済用語として「パレートの法則」というのがあるがこれは「8割の富は2割の人たちに所属する」といった8割2割の理論である。
私はこれをもじって「仕事のパレートの法則」といっている。つまり「その人の仕事全体のうちプライオリティが高い順に2割を遂行すればその人の仕事量の8割に達する」というものである。
したがって時間を制限すると人は重要度の低い仕事から捨てようとするので、全体としては仕事の達成度はそれほど落ちないのでこの時間を制限するやり方は有効である。
それに例えば18時で帰らなくてはならないとなったら昼にのんびりと仕事をしていられなく急いでやろうとするので生産性が上がることにつながる。

世に仕事術の本はあまたあるが、本当に役に立ったという話はあまり聴かない。
さて私の仕事術の本はどうだろうか?


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